東京都品川区
井上 敬子
無極静功との出会い
無極静功に入って2年目に入りました。去年の5月末、以前通っていた武道教室で肋骨を折ってしまい、激しい動きができず大人しい生活を送っていました。そんな時、同僚に太極拳をやりたいのでどこか紹介してほしいと相談され、インターネットで検索し、無極静功に目がとまりました。
「気功」と「太極拳」。気功...。私が20代の頃からず〜っとやりたいと思いながら、どこでやっているのかわからずできないでいた「気功」が一緒に付いていました。同僚のためが半分、自分の興味が半分で、早速、教室に下見に行くとことにしました。
7月終わりで、ちょうど站椿功の復習をしている時でした。体験してびっくり。その站椿功の三円式は、武道教室でやっていた立禅そっくり。当時、強くなりたい一心で、先生に言われるまま、一日おきに立禅を30分やっていたのでものすごく身近なものでした。そしてまた驚いたのは、薛先生の指先がピクピク動いていること。これも以前の先生に、上達してくると自然と指が動くようになってくる、と言われていたので、目が点になりました。
練功が終わった後、薛先生にそのことを話したら、自分では指が動いているのは気づいていない、とおっしゃいました。自然に動いている、気が通っているということだったんだと思います。練功中の先生の穏やかな声もすごく気持ちを落着かせてくれ、ゆったりしたいい気持ちでした。身体の中から何かが動いていくようなものが感じられ、今まで漠然と想像していた気功が、先生の声も含め、本当に身体に何かいいものをもたらしてくれるんだなと実感しました。気功がというよりも、薛先生ご自身に何か特別なものを感じました。私が探し求めていたものはこれだ!という感じでした。
以前の武道教室で、おもしろいのだけど、自分の求めているものとは何かが違うと思い悩み始めていた時だったので、すごい感激を受けました。それで私は即入会することにしました。
同僚は遠くて通えないとのことで結局入りませんでしたがこの同僚の「太極拳教室を紹介して下さい。」という言葉がなかったら私は無極静功に出会っていなかったと思うと不思議な気持ちです。
無極静功に臨む姿勢
私はどちらかというと覚えが早い方ですが、無極静功の場合、なぜか流れを覚えられないでいました。いつも最前列で先生の動きを一つ一つ見ながら練功していました。1〜2ヶ月した時に、振替で火曜の中級クラスに参加したことがあります。10年以上続けている方達がたくさんいらっしゃって、外で教えている方達もたくさんいらっしゃるくらい上手な方達ばかりでした。その方達が腕前だけではなく人間的にもとても魅力的で、私も10年後にはこうなりたいなーって、漠然と将来の自分像を思い描いていました。
10年というスパンで考えると、目先で無理をするのではなく、自然に任せることにしよう、いつか自然と身につく時がくると考えるようにしました。
一通りの説明を聞き終えた1年経ってやっと流れが覚えられてきました。でも、2年目に入って同じ説明をまた聞いていると、1年目には気がつかなかった新しい発見が出てきます。自分ではできたと思っていた動作なのに間違っていた所が出て来たりもします。きっと3度目に同じ説明を聞く時にも、また新しい発見があるのだと思います。先生が教室で「徐々に、徐々に」とおっしゃっているけれど、これは一機に覚えようとしても太刀打ちできない奥の深いものなんだと思います。一生つきあうつもりで徐々に徐々に上達していければと思います。
気功、太極拳、推手
私の大好きな気功のポーズは、三円式です。武道をやっていた頃は、これをやればやるほど体の反応が早くなり、足腰も強くなったので、大好きなポーズです。ながーくやっていると、マラソンのランニングハイのように、気持ちよくなってきます。そして無極静功に入ってからは、長い時間はやらないけれど、やはりこのポーズの時は気の流れ、宇宙を感じてとても気持ちがいいのです。大転環と左右時間差も指先から全身にパワーを感じられ、心身一体となって、武道をやっているようなイメージが感じられるので大好きです。それと好きというのとは違いますが、私は、ずーっと低血圧で悩んでいたので、「托天昇で低血圧が治ったのよ!」と目を輝かせている大先輩の持田さんの言葉に刺激されて、托天昇も気にしてやるようにしています。
半年経った頃、太極拳の説明が始まりました。それまでは、気功と同じ流れで、気持ちのよさにひたっていました。ところが、実戦ではこうやって使われているんですよ、と実演を混ぜて動作の説明をしてもらうと無駄のないよく考えられた動きだなーと感激してしまいました。先生の実演を見ていると、身体が動きたくなって、その技をマスターして実戦をやりたくなってきてしまいます。とは言っても“戦い”自体には疑問を持っているのでもうやろうとは思わないけれど。その中間にあるのが推手かなと思います。
相手の力の向きを感じて、その力をうまく逃し、利用し、責めるという理論を実践していくことで、理解が深まり、力強くもなる。教室では推手がないので、まだ合宿の時や樹林練功会の後にやる程度です。あまり練習していないので、理屈はわかっていてもなかなか実践できません。明らかに私よりも華奢であったり、年輩の方にも簡単に押し込まれてしまいます。まだまだ腰をうまく回せないし、太極24式の中で習った八法が使いこなせていないからだと思います。気功で身体の調整をとって、心身ともに健康になり、パワーをつける。太極拳で武術の基本動作を覚え、推手で実践に応用して理解を深め、身体的に健康になる。この3つの関連性がわかってくると、推手ももっと練習したくなってきました。
今後の抱負、希望
無極静功はとにかく楽しい。理論を知る楽しさ。先生や諸先輩方のためになる話を聞く楽しさ。気を感じる楽しさ。樹林練功会で自然の中でやる楽しさ。他の教室の方達と交流できることの楽しさ。推手の楽しさ。合宿で、普段教室でやらないことまでやる楽しさ。
無極静功を全て味わうために、理論も実践も深めていきたい。今の初級クラスでの先生の説明を2度、3度と聞き続けてもいきたいし、推手も合宿時だけではなくもっと練習したい。
それにさらに奥深い無極静功を理解するために、研修会にも参加していきたいと思います。そして大胆ですが、10年後には、私も諸先輩方のように、無極静功を教えていけるようになりたいと思います。
自分の力で苦しんでいる人達を救ったり、楽しさを伝えてあげられたら最高に幸せだと思います。
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