会報
会報第21号―――2004年8月20日発行

ことば「養生法」

薛永斌

交流活動

「本部会員の集い」

小野鞠子

「無極静功との出会い」

内山隆


ことば

薛永斌

養生法

 近年、健康への関心が高まり、太極拳や気功などの養生法が広く普及されるようになりました。
 養生法に共通しているのは、心身の調和のとれた状態を目指し、無理をせず、自然で美しい姿勢を保ち、体を合理的に柔らかく優しく動かし、自らその生を養い、結果として未病を治し、健康度をあげるということです。
 養生法の内在的な特徴は“心静体動”です。それは現代人の歪んでいる行動様式の“心乱体怠”の状態を調整するものです。
 養生法、特に太極拳と気功は、静かな穏やかな精神状態で、体内部の反応を“聴き”ながら細かく調整し、体の各部分の調和、体の動きと内部の感じの協調、心身統一の方向へと進んで行きます。
 そして、養生法の核心には常に“陰陽”バランスの思想があります。


交流活動

樹林練功会
 
日曜日の午前10時から11時まで、東京都代々木中央広場噴水池付近の樹林にて養生法十二法と太極24式を練習します。
  昨年11月21日には第100回の樹林練功会を迎えました。
 今年の予定は4月3日(第101回)、6月5日、7月3日、9月4日、11月20日です。無料、自由参加、雨天中止。ぜひご参加ください。

交流表演会
 第21回交流会は5月22日(土)正午12時から午後4時まで、世田谷区北沢タウンホールで行われました。
 3回目の教室別表演会で、計27教室(本部9教室、指導員18教室)の264名が参加し、それぞれに工夫された質の高い表演を行いました。
 指導員教室の皆さんと本部教室の皆さんとの素晴らしい交流の場となりました。
 多くの方は午前9時から来場し、リハーサルや会場の準備などをし、本場の表演会も含めて、楽しい充実の一日でした。

目黒養生気功法練功会の表演 
目黒養生気功法練功会の表演/108式の74番から…

本部火曜日夜中級教室の表演
本部火曜日夜中級教室の表演/基本的な武術攻防の練習法

合宿
 春の合宿は4月10日(土)〜11日(日)に、埼玉県嵐山町にある国立女性教育センターで、夏の合宿は7月18日(日)〜19日(月、海の日)に、御岳山で行いました。
 秋の合宿は10月10日(日)〜11日(月、体育の日)に川崎市民プラザで行う予定です。

夏の合宿
都心にくらべて6〜7度涼しい御岳山。早朝練習はとりわけ清々しい。
(夏の合宿/御岳山長尾平/04.7.19

「本部会員の集い」

小野鞠子さん本部火曜日午後中級教室
小野 鞠子


 今年のはじめに、薛先生より「四月頃から剣術の練習を始めたいと思います。また、教室別・表演会、本部会員の集い、を予定しています。」との、お言葉があり更に合宿もありますので、私個人としても、目標をもって過ごさなくてはと、心に決めたのでした。

無極静功で得た健康

 まず四月四日、みんなが集まる代々木公園での樹林気功のあと、久し振りに本部会員の集いを開くことが決まりました。

 これまでの世話役は、現在研修会(?)に属されているかたがたでしたが、今回は他の行事もあり研修会(?)のメンバーに、世話役が回ってきました。
 研修会(?)では現在宮本武蔵の「五輪の書」を読んで、無極静功の形、意識、調和のありかた等と、武蔵のそれと、比較しながら勉強しているところです。でも、何時でも思ったまゝ発言出来る雰囲気の会ですから、話が脱線して、武術に関することですが、他方面にわたる話題などが出たりして、進行の面白い会なのです。
 このメンバーであれば、きっと楽しい会の企画が出来るだろうと、まとめ役の私は、このパワーでいけば大丈夫と思いました。
 何時も教室では静かに練功を重ね、身体を調えます。推手では、相手を知り如何にして優位な体勢に持っていき、中心を攻めていくか、力を如何に抜くか、など厳しいものがあります。しかし、各教室の中では、夫々に会員のふれ合いの場がありますが、全体として考えた時に、教室の枠を越えて会員の“ふれ合い”は合宿の時か、交流会の時に限られます。
 「会員の集い」では、お腹の底から笑って、ワァーッ!と喚声をあげて、楽しんで頂けたら会員の親睦も深まり、更に雰囲気の良い気の場になっていくのではないかと思いました。

いよいよ本番

 当日は、五十二名のかたがたが集まりました。会の前半は、厳かに先生のお話があり、私達から先生に日頃の御熱心な御指導に対して、感謝の言葉を申し上げました。
 続いて、八十歳以上の人々、四名に花束贈呈をしました。八十歳になられても、元気に練功に来られる方々は、私達にとっては掛替えの無い人生の模範であり、励みです。
 先輩に続くべく、努力していかなければならない私達にとっては、大きな存在です。
 特に「足が良くなったら剣術をやりたいです。」と但し書きをして、剣術の部を申し込まれた、驚くべき心意気の、小方さんに感動して、乾盃の音頭をとって頂きました。
 迫力ある乾盃!の音頭に続いて、お食事が始まりました。

本部会員の集い
本部会員の集い(大橋会館/目黒区/04.4.4)

星座チームで対決

 今回は、会場の着席の方法も生まれ月による星座で、六グループに分けました。賑やかにリラックスしてお食事も進み、メンバーが練りに練って仕上げられたゲームが、始まりました。
 限られた時間の中で、如何に効率よく会を進行させ、数多い項目のゲームが出来るのか、そして盛り上がる要素を組み込んでいくか、みんなで何度も何度も研究をして、自分達でやってみて、時間の割り振りも細かくチェックしました。そのお陰で、順調に進行していき、参加された人々が、熱中し、その上、絶妙な司会者のリードもあり、大盛会となりました。
 細やかではありましたが、一位のグループから、最後のグループまで賞品を夫々が受け取り、全員でハーモニカの伴奏で「幸せなら、手をたたこう」を唄って、トントンと体を動かして散会しました。

桜の目黒川

 今春は、桜の開花が早かったのですが、寒い日が続いたので、当日はまだ目黒川の桜が満開で、私達の集いの会に、「華」を添えてもらいました。
 一人の人間が、企画・構成していくより、何人かのグループで、夫々が貴重な意見を出して頂いて、纏められたものが、如何に素晴らしいものであるのか、これは日頃仲間として練功し、討議し、その中で生まれた一つの協同体としての“まとまり”の成果であることを実感いたしました。
 このおおよそ二ヶ月、協力して下さった研修会(?)のメンバーに、心より感謝申し上げます。

「無極静功との出会い」

内山隆さん本部土曜日午後初級教室
内山 隆

無極静功を始めてちょうど1年になります。「すごくいいものに巡り会えたな!」というのが今の実感です。まだまだわからないことだらけですが、これまでの1年を振り返るような形で、今の時点で感じることを私なりに書いてみようと思います。


運動不足解消

 理由はよくわからないのですが、以前から気功というものに対しては何か魅かれるものを感じていました。
 日頃の運動不足を解消するために何か始めたいと思っていた2003年6月のある日、インターネットを検索していて無極静功のホームページが見つかったのでした。場所はすぐ近くだし行ってみようと思って、まずは体験をしてみることにしました。
 体験の時には、先生から気功12式と太極24式をやるという説明を受けたのですが、正直なところ「武術?太極拳??気功をやりに来たんだけどなあ・・・」という感じでした。
 ただ、一通りの体験が終わった時、普段は使わない部分の筋肉を使ったせいか体の感じが少し良くなったように思えたので、まあとにかくやってみるか、という感じでとりあえず続けてみることにしたのでした。

秋合宿への参加

 もともと体を動かすことは好きな方でしたが、何回か続けているうちに、教室に出た後は体のキレがすごく良くなることを実感できるようになってきました。
 仕事は毎日イスに座りっぱなしなので、肩や腰に疲労を感じることが多く、毎週土曜日が来るのが待ち遠しいような状態が続きました。
 ただ、もともとあまり物覚えが良くないということもあるのですが、週1回だと特に太極24式はなかなか覚えられません。少し集中してやりたいな、と思っていたところに秋の合宿があるということで参加することにしました。
 初めての合宿では、太極24式をやっている時に、先生が「自分の内面を表現します」と言われたことがすごく印象に残っています。
 また、普段はやったことの無い活歩や定歩といったものを体験することができ、得るものがすごく多かったと思います。
 特に108式は、やってみて「よくわからないがすごく面白いので覚えたい!」と思ったのですが、まだまだ24式も全然できていない状態ですので、自分の中では楽しみは先に取っておくということにしてあります。

表演会

 秋合宿で得るものが多かったので、春合宿にも参加しました。合宿では集中して練習することができるので、この先もどんどん参加しようと思いました。
 5月になると表演会での発表に向けた練習が始まりました。普通の練習以外に動作を確認することができて、この練習だけでもかなり自分のためになったと思います。
 表演会は、5/22(土)に下北沢のタウンホールで行われました。舞台に立つことなど高校時代の文化祭以来ですし、無極静功をやっていなければこんなことなど無かっただろうと思うと、何とも不思議な感じがしました。
 土曜教室は出番が2番目で待ち時間もそれほど無く、さらに私は2列目だったので、それほど緊張することもなく表演を終えることができました。
 見る側にまわった後は、いろいろなパターンの表演を見ることができてとても参考になりました。合宿もそうですが、この表演会でも普段はお会いすることがない皆さんの美しい動作を見ることができて大変刺激になりました。

春の合宿
国立女性教育センター体育館前にて
(春の合宿/嵐山町/04.4.10)

現在とこれから

 無極静功を始めてから自分の中で変化したと思うことは、怒りにくくなったこと、それと風邪をひきにくくなったことです。この2つだけでもこれからも続けていく価値があると思っています。
 また、自分のペースで参加できること、ものすごく奥が深いので長く続けることができると感じられることがとても良いと思っています。
 始めた時には、太極拳は気功についてきたという感じでしたが、今では全然そんな感じでは無くなってしまいました。自分としてはもっともっと進歩(?)したいので、これからも機会があればどんどんいろいろな所に参加していきたいと思っています。


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